株式会社SOXAIさんへ。その幻の「ライブ前データ」、見たいです(笑)

堀大輔氏の一週間ライブを見終わってからというもの、ずっと頭の片隅に引っかかって離れないものがある。 それは、ライブ本番の睡眠データではない。SOXAI RINGがすでに握っているという「ライブ開始前の堀さんのデータ」の存在だ。

この一件を知らない人のために、少しだけ前提を整理しておきたい。 堀さんは長年「30分睡眠」という超短時間睡眠で生活していると公言してきた人物だ。その彼が約一週間にわたって生活を24時間ライブ配信し、SOXAI RINGというスマートリングで睡眠を測定するという試みが行われた。

最終的にリングが弾き出した一週間の睡眠時間は、本人が意識して取っていた「本睡眠30分」だけではなかった。10分未満の短い睡眠判定なども含めると、単純平均で一日50数分程度。最長の連続睡眠は29分だった一方で、本人が「寝たつもりはない」と認識している時間帯にも、リング上では短い睡眠が複数回記録されていた。

これだけでも十分すぎるほど面白い結果なのだが、ライブ終了後、堀さん自身はこう説明した。 「ライブという特殊な環境だったから、普段の睡眠が崩れた」

確かに、それは十分あり得る話だと思う。 一週間ほぼ常時カメラを向けられ、大勢から監視され、コメントが飛び交い続ける環境だ。いつもの生活とはまったく違う。ストレスも相当なものだろうし、生活リズムが乱れるのも無理はない。 つまり、「今回の一週間は、普段の堀大輔ではなかった」という弁明には、それなりの説得力があるのだ。

……ところが。 ライブ最終日のSOXAIによる結果説明の場で、担当者さんが何気なく、とんでもない爆弾を落とした。

「ライブが始まる前にも、堀さんがリングを試していた時のデータがありますよ」 そして、こう続けたのだ。 「出しますか?」と。

私はあの瞬間、心の中で叫んだ。 出してえええええええええ!!それそれ!!それが見たかった!!SOXAIさん、ナイス!!

だって、それ、ものすごく重要なデータじゃないか。 今回のライブ中の睡眠が堀さんの言う通り「特殊な環境のせいで普段より増えてしまった」のだとしたら、ライブ直前のデータこそ、その説明を裏付けるための絶好の比較対象になる。

たとえば、ライブ前には本当に毎日30分前後しか睡眠判定が出ておらず、ライブ中だけ50数分に増えていたとしよう。それなら、「なるほど、普段は本当に短いのか。やはりライブという特殊環境が睡眠を増やしていたんだな」と、堀さんの説明をかなり強力にバックアップできる。 逆に、ライブ前から1時間、2時間、あるいはそれ以上の睡眠判定が普通に出ていたとしたら、「ライブのせいで今回だけ睡眠が増えた」という説明は一気に苦しくなる。

さらに面白いのは、短い「マイクロスリープ」判定についても比較できることだ。 ライブ中、堀さんは「自分では寝ていないと思っていた」短時間の睡眠判定について、リングが極度のリラックス状態を睡眠として誤認して拾っている可能性を指摘していた。 これもライブ前データを見れば一目瞭然だ。普段から同じように短い睡眠判定が大量に出ていたなら、「堀さんは以前から、本人が意識していない短い睡眠や、それに近い低活動状態を頻繁に挟み込むスタイルだったのではないか」という仮説が成り立つ。 逆に、ライブ前にはそんな判定がほとんどなく、ライブ中だけ大量に出ていたなら、「やはり今回は特殊な疲労やストレスの影響だった」という説が強くなる。

つまり、どっちに転んでもめちゃくちゃ面白いのだ。 だから私は、あの「ライブ前データ」は単なるオマケなどではなく、むしろ今回の一週間を解釈するための「完全なる対照実験データ」として、計り知れない価値があると思っている。

ところが堀さんは、その場で即座にこう断った。 いや、いいですいいです。遊んだところがあると思ってください」

もちろん、それだけで何かを疑うのは早計だ。 リングを装着したり外したり、いろいろな状態を試したりと、本当に機器のテストとして「遊んでいた」だけなのかもしれない。そのデータが比較対象として使い物にならない可能性だって普通にある。

ただ、ここでどうしても一つだけ引っかかるのだ。 もし本当に、ただの「完全な動作確認だけの無意味なデータ」だったのなら、SOXAI側がわざわざ公開の場で「前のデータもありますけど、出しますか?」と提案してきたのは、ちょっと面白すぎないだろうか。

たとえば、お絵描きソフトを初めて触った日に、「これはブラシ」「これは塗りつぶし」と機能を試しただけの適当な落書きがあるとする。 その後、本番の渾身のイラストを発表する場で、ソフト会社の人が「ちなみに、本番前に描いた絵もありますけど、皆さんに見せます?」と満面の笑みで言ってきたら、「え、それただの操作練習の落書きだって分かってるよね!?」と震えるだろう(笑)。

もちろん、SOXAI側がそのデータをどこまで比較可能だと考えていたのかは分からないし、中身も知る由もない。 だから私は、「あのデータには何か都合の悪いものが映っているに違いない」なんて野暮なことを言うつもりはない。

ただ、「ライブ前にもデータが存在しており、SOXAI側はそれを公開可能なものとしてその場で提示しようとした」という事実だけは、しっかりと記憶に留めておきたいのだ。 なぜなら今回、堀さん自身が「ライブだから普段とは違った」と説明しているからだ。その説明を真摯に検討するうえで、「普段に最も近い可能性のある、ライブ直前のデータ」ほど喉から手が出るほど見たいものはない。

一週間ライブそのものは、ある意味で非常に特殊な環境下での実験だった。 カメラがあり、視聴者がいて、常に睡眠時間が注目され、本人も「30分」を意識せざるを得ないプレッシャーの中にいた。 だからこそ、本当に私たちが知りたいのは、 「誰も見ていないときの堀大輔は、SOXAI RING上ではいったいどう眠っていたのか」 これに尽きるのだ。

もしライブ前から毎日30分前後だったなら、それは堀さんの17年間を裏付ける最強の材料になる。もしそうではなかったなら、それもまた、「30分睡眠とは何だったのか」を再考する極めて重要な材料になる。

どちらにせよ、見たい。 だから私は、ここに静かに書き残しておこうと思う。

ライブ本番の派手な場面ばかりが切り抜かれ、時間がたてば、あのさりげない一言はそのうち忘れ去られてしまうかもしれない。 でも確かに、SOXAIの担当者さんは言ったのだ。

「ライブ前のデータもあります。出しますか?」と。

SOXAIさん。 あのデータ、私はまだハッキリと覚えています(笑)。 いつかポロッと見せてもらえる日が来るのを、わりと本気で待っています。

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