堀大輔という、どうにも気になる人

ここ最近、ショートスリーパーを名乗る堀大輔って人の動画をずいぶん見ている。 きっかけは、高須幹弥先生との対談だった。

最初は単純に、「1日30分睡眠って、本当にそんなことが可能なの?」という好奇心で見始めた。ところが、見ているうちに睡眠そのものよりも、堀さんという人のほうが圧倒的に気になってきた。

何しろ、ツッコミどころが多い。

高須先生がちょっと言葉を間違えたり、堀さんにとって気に入らない表現をしたりすると、そこをものすごい勢いで問い詰める。「お金を取る」という普通に使うような言い方に対しても、「僕が奪っているみたいじゃないですか」と噛みつく。 そこまで細かい言葉遣いを気にする人なんだな、と思って見ていた。

ところが一方で、自分については「17年間、1日30分睡眠」と大々的に発信しているのに、公式サイトに掲載されている2017年の健康診断には「睡眠時間7h」と書かれている。 本人いわく、これは自分が「1」と書いた字が汚くて、「7」と読み間違えられたのだという。

まあ、それ自体はあり得ない話ではない。 でも、それならなぜ訂正しないのだろう。

しかも今まさに、ネット上で「7時間寝てるじゃないか」と大炎上している。 だったら2017年の古い資料について一人一人と言葉で戦うより、2025年なり2026年なりの最新の健康診断結果を出して、 「今も30分睡眠です。今年も健康診断はオールAです」 と見せればいい。 少なくとも「堀さん本人は健康なのか」という話については、それが一番強い反論になるはずだ。

ところが、なぜか堀さんは、客観的な資料を一枚出せばかなり片付きそうな問題でも、資料より言葉で戦う。 ここがどうにも不思議である。

高校時代の話も面白い。 本人の話では、偏差値45〜47程度の高校に通いながら、東大合格レベル、さらに京大A判定だったという話しがある。 もし本当なら、これは普通にすごい。 私は東大受験を経験しているので分かるけれど、A判定やB判定というのは、そんなに簡単に出るものではない。 まして、そのレベルの大学への進学実績がほとんどない高校から京大A判定だったのなら、堀さんは高校時代、相当頭が切れる人だったのだと思う。

ところが、その堀少年は、高校3年のときに兵庫県からわざわざ東京大学の赤門を見に来て、「東大生がみんな遊んでいる」のを見て、大学に行く意味がないと思ったのだという。

これもまた、なんとも不思議な話だ。 せっかく新幹線代を払って兵庫から東京まで来たのなら、もうちょっと大学の中身を見ればいいのに、と思う。 講義や研究の内容なんて、外から学生を眺めているだけでは分からない。 ユニクロを知りたい人が、店の中にも入らず、店から出てきた人の服装を見て「ユニクロはダサい」と判断して帰るようなものだ。

しかも赤門付近なんて、私の記憶では、学生が何かをして遊ぶ場所ではなかった。 私は堀さんより2歳年上で、ちょうどそのころ東大に在学していた。3年から本郷キャンパスへ進んだので、赤門周辺の雰囲気はよく知っている。 あのへんは、むしろ閑静で、「さすが文教都市」という感じだった。 堀さんはいったい、赤門で何を見たのだろう。

そして、いろいろ調べているうちに、笑ってツッコんでいるだけでは済まない話まで出てきた。 過去に、最低200万円の資金提供を募り、贈与や貸付、利率などを組み合わせた内容のメールを送っていたとされる件である。 本人も、そうしたメールを送った経験自体は認めているように見える。

これについては、私には法律上の違法性までは判断できない。 実際にどういう契約だったのか、何人に勧誘したのか、本当に資金を受け取ったのか、必要な登録があったのか。 そういうことを確認しない限り、「犯罪だ」と断定することはできない。

ただ、もし本当に違法な資金募集だったのだとしたら、「堀さん、また変なこと言ってるなあ」と笑って済ませられる話ではなくなる。

そんなふうに掘れば掘るほど、堀大輔という人が分からなくなる。

意図的に話を大きくしたり、事実と違うことを言ったりしている人なのか。 それとも、本人は自分の言っていることを本気で信じているのか。 自分の経験をものすごく強く信じていて、医学や世間一般の常識よりも、自分の目で見たもの、自分が体験したことのほうを信用する人なのかもしれない。 もしかすると、その境界自体が本人の中でも曖昧なのかもしれない。

ただ、不思議と私は、堀さんを単純に「悪い人」と切り捨てる気にもなれない。

怒るとものすごく怒る。 傷つけば涙を流す。 批判されれば猛烈に反論する。 嬉しいときは本当に嬉しそうだし、自分が正しいと思ったことには全力で突っ込んでいく。

喜怒哀楽が、とにかくはっきりしている。 良くも悪くも、いつも精一杯生きている人のようにも見える。

だから、なんだか妙に人間臭い。 そして、おそらくそれも、堀さんがネットでこれだけ人を引きつける理由の一つなのだと思う。

「1日30分しか寝ない」という主張は、本当なら驚異的だ。 でも、嘘だったとしても気になる。 「じゃあ、どうやってこの辻褄を合わせるんだろう」と思ってしまう。

信じている人も見る。 疑っている人も見る。 批判したい人も見る。 そして私のように、「いや、さすがにこれはおかしいだろ」と思いながら、結局何時間も動画を見漁って、何年も前の発言まで調べてしまう人もいる。

つまり、 本当ならすごい。 嘘でも気になる。

この構造そのものが、堀大輔というコンテンツの強さなのだと思う。

そして2026年9月、堀さんは1週間にわたって、自分の短時間睡眠をライブで公開する予定だという。

もちろん、一週間成功したからといって、「17年間ずっと30分睡眠だった」ことの証明にはならない。 「誰でも30分睡眠で健康になれる」という証明にもならない。

それでも、これまでよりずっと検証しやすい形で、本人の主張を見ることができる。

もし本当に、一週間ほとんど寝ず、30分程度の睡眠だけで普通に活動していたら、その点については素直に驚きたいと思う。 逆に、長いカメラ外時間があったり、実際にはかなり寝ていたり、途中で説明が二転三転したりしたら、それもまた重要な材料になる。

だから今のところ、私は結論を決めずに見ている。

堀大輔という人は、意図的に壮大な物語を作っている人なのか。 本当に特殊な睡眠能力を持った人なのか。 自分自身の物語を、自分でも強く信じている人なのか。 それとも、その全部が少しずつ混ざっているのか。

こんなにツッコミどころが多いのに、なぜか目が離せない。 というか、「なんでこんなのが気になるんだろう」と思いながら、ここまで調べている時点で、私自身がすっかり堀大輔というコンテンツに捕まっている。

9月のライブでは、少なくともこの謎を考えるための、大きな手掛かりは得られるはずだ。 なんだかんだ言って、私はかなり楽しみにしている。😂

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