エコーの強弱は、生まれつき決まっているわけじゃない
前の記事で、
「過去の音を、今のカラオケに重ねない」
という話を書いた。
でも、こう思った人もいるかもしれない。
「分かるけどさ、
そもそもエコーが強く出ちゃう体質なんだよ」
それ、半分正しい。
身体のエコー調整には、
生まれつきの差がある。
神経が敏感だったり、
記憶が残りやすかったり、
刺激が減衰しにくかったり。
これは、
ある程度DNAの影響を受けている。
同じ出来事があっても、
- すぐ流せる人
- 何度も思い出してしまう人
がいるのは、そのせいだ。
でも。
エコーの「長さ」や「癖」まで、
DNAで決まっているわけじゃない。
身体がエコーを残すのは、
性格の問題じゃない。
理由は一つ。
「これは、まだ安全か分からない」
そう判断しているだけ。
失敗したとき、
怒られたとき、
恥をかいたとき。
そのあとに、
- ちゃんと戻れたか
- 助けてもらえたか
- 放っておかれなかったか
ここで身体は学習する。
「外しても、まあ大丈夫だった」
この体験があると、
エコーは自然に減衰する。
逆に、
「外したら終わり」
「次はない」
そう感じる体験が重なると、
身体はエコーを長く残す。
次に備えようとするからだ。
だから、
過去を何度も反芻してしまう人は、
- 弱いわけでも
- 執念深いわけでも
- 性格が悪いわけでもない
ただ、
身体が、まだ警戒を解いていないだけ。
大事なのは、
思考で納得することじゃない。
「もう大丈夫だよ」
と自分に言い聞かせることでもない。
必要なのは、
今この瞬間の体験だ。
今、歌っている曲を歌って、
少し外しても、
ちゃんと次に進めた。
今、話している相手と、
ぎこちなくなっても、
会話が続いた。
今、何かに集中して、
途中で失敗しても、
世界が終わらなかった。
この「大丈夫だった」が積み重なると、
身体は学習し直す。
エコーは、
少しずつ短くなる。
つまり。
エコーは
生まれつきゼロにはならない。
でも、
今もリアルタイムで、
調整され続けている。
だから、
今日もやることは同じだ。
- 今の一曲を歌う
- 外しても、引きずらない
- 過去の音が流れてきたら、保留
「今はこの一曲を歌い切ろう」
それだけでいい。
エコーは、ほどほどに。
カラオケも、
頭の中も。
そして、
その調整は、
もう始まっている。

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