AIと対話するとき、身体はどこに置けばいいのか

── 思考を「委ねない」ための、ひとつの姿勢 ──

AIと対話する時間が、確実に増えている。

仕事の整理。
文章の下書き。
考えが詰まったときの相談相手。

気づけば、
一日の中で最も多く言葉を交わしている相手が
AIになっている人もいるだろう。

そんなとき、
ふとした違和感が生まれる。

「このとき、私はどこにいるんだろう?」


AIとの対話は、頭だけで起きやすい

AIとの対話は、とてもスムーズだ。

・言い淀まない
・否定しない
・疲れない
・待たせない

その快適さゆえに、
対話が頭の中だけで完結しやすい。

身体は、
椅子に座ったまま。
呼吸は浅いまま。
画面の前で固まったまま。

言葉だけが往復し、
身体が置き去りになる。

これは、とても自然なことだ。

でも、ここに落とし穴がある。


身体を置き去りにすると、思考は「借り物」になる

前回の記事で書いたように、
AIは「透明な妖怪の輪郭」を描くのが得意だ。

だから、
AIと話していると、

「なるほど」
「それっぽい」
「しっくりくる」

という感覚が、簡単に得られる。

しかしそのとき、
身体が鳴っていないと、
思考はどこにも定着しない。

・腹に落ちない
・行動に移らない
・数時間後には消える

これは、思考が悪いのではない。

身体がその思考を引き受けていないだけだ。


AIと対話するときの「身体の置き場所」

では、AIと対話するとき、
身体はどこに置けばいいのか。

答えはシンプルで、少し不便だ。

身体は、AIの外側に置く。

AIの言葉の中に入らない。
AIの論理に預けきらない。

その代わりに、

・足の裏の感覚を感じる
・背中が丸まっていないか気づく
・呼吸の浅さに気づく
・目線を画面から外す

こうした、
身体の現在地を確認しながら対話する。


おすすめの、ささやかな実践

大げさなことは必要ない。

たとえば:

  • AIと話しながら、少し歩く
  • 返答を読んだあと、すぐに打ち返さず、息を一つ吐く
  • 「今の答え、身体的にどう感じた?」と自分に聞く
  • 違和感があれば、すぐ言語化しようとしない

これだけで、
AIとの対話は「思考の委託」ではなく
思考の合奏になる。


AIは相棒だが、身体の代理ではない

AIは、とても優秀な相棒だ。

整理してくれる。
言葉を補ってくれる。
視点を増やしてくれる。

でも、
AIはあなたの身体を生きてはくれない。

・疲れたときの重さ
・怖さで詰まる喉
・言葉が出ない沈黙
・なぜか涙が出る感じ

これらは、
あなたの身体だけが知っている。

AIとの対話で、
それを消さないこと。

それが、
AI時代に思考を「自分のもの」に保つ
いちばん確実な方法だと思う。


ベクトラブ的まとめ

AIと対話するとき、
身体は、

・預けるものではなく
・消すものでもなく

横に置いておくものだ。

画面の外で、
ちゃんと重さを持って。

思考は、
頭だけでは立ち上がらない。

身体がそこにあってはじめて、
言葉は、自分の音になる。

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