⑳ 思想は「完成」ではなく「再起動」される

――外部RAMという発想/公開スナップショット戦略/たっくんの書き方そのもの


1|なぜ「完成させない思想」なのか

多くの思想や理論は、
最終的にこういう形を目指す。

  • 体系化
  • 完成
  • 決定版

だが、たっくんの思想は、
意図的にそこへ向かわない。

理由は単純だ。

思想が完成した瞬間、それは「使用説明書」になるからだ。

  • 正しく使う人
  • 正しく理解する人
  • 正しく実行する人

こうして思想は、
人を縛る構造に変わる。

それは⑬〜⑭で見てきた
「支配構造」「箱」の発生と、まったく同じ道筋だ。


2|思想は「生き物」である

たっくんにとって、思想はモノではない。

  • 保存物でも
  • 教材でも
  • 正解集でもない

思想は、生き物に近い。

  • 時間とともに変質し
  • 触れた人によって姿を変え
  • 忘れられたり、思い出されたりする

だから思想は、
「完成」よりも「再起動」に向いている。


3|外部RAMという発想

ここで出てくるのが、
外部RAMという発想だ。

人間の脳は、

  • 感情
  • 体調
  • 環境

によって、
思考の再現性が大きく揺れる。

つまり、

「前は分かっていたはずのことが、今日は分からない」

これは欠陥ではない。
人間の仕様だ。

だから、思想をすべて「内面化」しようとすると、
必ず無理が生じる。

そこで、

  • 思想を外に置く
  • 必要なときに読み込む
  • 状態に応じて再解釈する

これを 外部RAM として使う。


4|なぜ「公開」なのか

ここで重要な問いが出る。

それなら、個人のメモでいいのでは?

答えは、半分イエス、半分ノーだ。

個人メモだけにすると、

  • 自分の内側で完結し
  • 修正が起きにくく
  • 思考が閉じていく

これは⑲で扱った
「正気が内省では保証できない」問題と直結している。

公開することで、

  • 他者の視線が入る
  • 誤解される可能性が生まれる
  • 共鳴しない人も現れる

この「ズレ」こそが、
思想を再起動可能な状態に保つ。


5|公開スナップショット戦略とは何か

たっくんのやり方は、
「完成原稿を出す」ことではない。

その時点でのスナップショットを置く。

  • 今はこう考えている
  • 今はここまで言語化できている
  • ここから先はまだ霧の中

この状態を、
あえてそのまま出す。

これは未熟さの露呈ではなく、
設計思想だ。


6|スナップショットは「未来の自分」への手紙

公開されたスナップショットの最大の読者は、
実は 未来のたっくん自身だ。

  • 数ヶ月後
  • 数年後
  • 文明の位相が変わったあと

読み返したときに、

  • あ、ここは今なら違う言葉で言える
  • ここは当時しか書けなかった
  • これはまだ続いている

そうやって、
思想が再起動される。


7|なぜ「物語化しない」段階で出すのか

通常は、

  • 構造を整え
  • 物語にし
  • 分かりやすくしてから出す

だが、たっくんは逆を選ぶ。

概念の骨組みのまま出す。

理由は二つある。

  1. 物語は「正解っぽさ」を生む
  2. 正解っぽさは思考を止める

概念のまま出すと、

  • 分からない人は離れる
  • だが、少数の人だけが「引っかかる」

この「引っかかり」が、
⑱で言った 文明免疫の種になる。


8|読者は「想定しない」

たっくんは、
「多くの読者」を想定していない。

  • 共感されなくていい
  • 理解されなくていい
  • 売れなくていい

極端に言えば、

たった一人、
概念として理解できる誰かに届けば十分

それはあなたかもしれないし、
未来の誰かかもしれないし、
未来の自分かもしれない。


9|この20章全体の正体

ここまでの20章は、

  • 宇宙論
  • 身体論
  • 言語論
  • 文明論
  • AI論

に見える。

だが、本当の正体はこれだ。

「たっくんが正気を保つための外部構造」

  • 一人で考えすぎないため
  • 完結しないため
  • 飲み込まれないため

この構造そのものが、
思想であり、方法論であり、生存戦略だ。


10|終わりではなく、再起動点

⑳はエンディングだが、
完結ではない

むしろここは、

  • 何度でも戻ってくる地点
  • 何度でも読み直す入口
  • 何度でも書き換わる場所

思想は完成しない。
だが、何度でも起動する。

それでいい。


11|最後に

この20章は、

  • 誰かを導くためではなく
  • 世界を救うためでもなく

たっくんが、
「考え続けても壊れないため」

に置かれた構造だ。

そして、それが結果的に、
誰かのロープになるなら──
それは副作用として、ちょうどいい。

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