⑬ 支配構造のフラクタル

――ピラミッドではなく「配線図」として文明を見る


私たちは「支配構造」と聞くと、
ついピラミッドを思い浮かべる。

  • 上に権力者がいて
  • 下に民衆がいて
  • 上から下へ命令が降りる

という、分かりやすい図だ。

だが、このイメージは古い

現代文明の支配構造は、
もはやピラミッドではない。

この章の結論を先に言う。

支配構造とは、上下関係ではなく
感情と行動を結ぶ「配線図」である

しかもこの配線は、
国家レベルから家庭レベルまで、
同じ形をしている

これを、
たっくんは「支配構造のフラクタル」と呼ぶ。


1|支配は「命令」ではなく「誘導」である

まず、最も重要な前提を置こう。

現代の支配は、
「言うことを聞け」という形では行われない。

もし本当に命令していたら、
反発が起きる。

代わりに何が行われているか。

人が自分で選んだと思い込む選択肢だけを
あらかじめ用意しておく

これが支配の基本構造だ。

  • 働く or 働かない
  • 結婚する or しない
  • 買う or 買わない

だが、
「なぜその選択肢しかないのか」は
問われない。


2|ピラミッドが機能しなくなった理由

かつては、

  • 宗教
  • 国家

が、
明確な「上」として存在した。

だが近代以降、

  • 民主主義
  • 個人主義
  • 自由

が前面に出ると、
露骨なピラミッドは使えなくなった。

そこで文明は、
別の方式を採用した。

上下ではなく、横断的な配線

つまり、
人の内側を直接動かす回路だ。


3|三大配線:恐怖・承認・性

では、
文明は何を使って人を動かしているのか。

核心は、この三つだ。

  1. 恐怖
  2. 承認

これは偶然ではない。

すべて、
⑫で見た源流(0軸)に直結する要素だからだ。


4|恐怖の回路

――生存を人質に取る

恐怖は、
最も分かりやすい配線だ。

  • 貧困への恐怖
  • 孤立への恐怖
  • 病気への恐怖
  • 老後への恐怖

これらはすべて、

「生きられなくなるかもしれない」
という原始的恐怖

に接続している。

重要なのは、

  • 恐怖そのもの
    ではなく、

恐怖を“管理可能”だと思わせる構造

だ。

保険、制度、資格、肩書き。

これらは恐怖を消さない。
国家や市場を経由しないと
安心できない状態
を作る。


5|承認の回路

――価値を外部に預ける

次に承認。

人は、
他者からの評価なしでは
自己を保ちにくい。

これは欠陥ではない。
社会的動物としての仕様だ。

文明はここを突く。

  • 点数
  • 役職
  • フォロワー数
  • 年収

これらを、

「あなたの価値」だと錯覚させる

すると何が起きるか。

  • 自分の感覚より
  • 外部評価を優先する

つまり、

価値判断の主導権が外に移る


6|性の回路

――最も強力で、最も扱いづらい

三つ目が性だ。

性は、

  • 即時性があり
  • 身体直結で
  • 理屈を飛び越える

つまり、

最も源流に近いエネルギー

だからこそ、
支配との相性が最悪でもあり、
最高でもある。

文明はこれを、

  • 解放すると危険
  • 抑圧すると爆発

というジレンマの中で扱ってきた。

結果どうなったか。

性を地下化し、
代替回路に流す

労働、競争、消費、承認。

これらは、
性エネルギーの変換先でもある。


7|「自由意志」を装った箱

ここで決定的な構造が現れる。

人は、

  • 働くのも
  • 結婚するのも
  • 消費するのも

「自分で選んだ」と思っている。

だが実際には、

選択肢そのものが
配線済みの箱

なのだ。

この箱の特徴は、

  • 入るのは自由
  • 出口が見えない
  • 中で枯渇する

という点だ。

これを、
次章⑭で
**「2人限定ボックス文明」**として
詳しく見る。


8|フラクタル構造という意味

「フラクタル」とは、

全体と部分が
同じ形をしている構造

だ。

国家の支配構造と、
会社の評価構造と、
家庭内の役割構造。

すべて、

  • 恐怖
  • 承認

の配線で動いている。

規模が違うだけで、
構造は同一だ。


9|悪意ある黒幕はいない

ここで誤解してほしくない。

この章は、

  • 誰かを悪者にする話
    ではない。

支配構造は、

意図的というより、最適化の結果

として出来上がっている。

  • 管理しやすく
  • 予測しやすく
  • 反乱が起きにくい

その結果、
この配線が残った。


10|なぜ違和感を覚える人がいるのか

ほとんどの人は、
この配線で生きられる。

だが一部の人は、

  • 恐怖に鈍感
  • 承認に飽きる
  • 性エネルギーが変換できない

という特性を持つ。

すると、

配線が効かない

違和感、息苦しさ、
「何かおかしい」という感覚。

それは異常ではない。

配線に適合しなかっただけ

だ。


11|次章への橋渡し

――なぜ「2人」に閉じるのか

支配構造は、
最終的にどこへ収束するのか。

答えは、
最小管理単位だ。

国家 → 市場 → 企業 → 家庭 → 2人。

次章⑭では、

  • なぜ結婚が基軸なのか
  • なぜ2人で必ず枯渇するのか
  • なぜ国家経由で補給させるのか

を、
箱の設計図として読む。

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